私は徴兵拒否の第1号になるよ。

戦争と戦争の間が平和なんだという人がいる。
それは違うんだ。
本当の平和とは、心の平安なのです。

「その心の平安はどうしたら得られるのか?」

魂の存在を信じるところでしか
絶対にそれは得られないのです。

昌清さんは現代を「魂の乱世」だと言う。
人は人生の意味を見出せずにいる。
何をしたらいいのか分からない。
だから動物にも劣るような愚劣な犯罪が頻発してしまう。
犯罪も立派な戦争行為。
哀しいかな、
内戦地と化した日本で
今平和憲法が破られようとしている。
(小さな犯罪の積み重ねが大きな戦争を生み出す原因)

戦争拒否を明記した日本国憲法第9条は
世界無形文化財になってもいい財産だ。
もし第9条が破棄されたとしても
僕ら日本人が戦争を拒否して
武器も持たず、戦場にも行かないとすれば
日本人が世界文化財になればいい。
まずその1人に僕はなるよ。

個人的には水と食糧争いが起きると思っています。
事前にそれを阻止するために
資源問題を解決する技術で
(日本の水処理技術は世界一)
日本が世界に貢献できればいいと考えています。

(以下、なかにし礼さんの若者に向けたメッセージと詩)

集団的自衛権の行使容認

なかにし礼さんが詩「若者よ、戦場へ行くな」
[毎日新聞 2014年07月10日]

詩を書いてもらえませんか−−。集団的自衛権行使容認が閣議決定された1日、作家・作詩家のなかにし礼さん(75)に依頼した。携帯電話の向こうから、力強い言葉が返ってきた。「書きます。何ならすぐにでも」。切迫した思いが伝わってきた。【小国綾子】

数日後、なかにしさんから手渡された詩の題名は「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」だった。「僕自身も泣きながら、ですから。日本がこんな国になってしまって悲しくて仕方ない。特定秘密保護法を先につくって、次は集団的自衛権。『戦争だから』と自由に発言できない時代はすぐそこです」という。

終戦後、満州からの引き揚げ途中、何度も命の危険にさらされた。兄は特攻隊の生き残り。近著「天皇と日本国憲法 反戦と抵抗のための文化論」には「日本国憲法は世界に誇る芸術作品」と書いた。

詩は最初、題名も内容も違っていた。題名は「若き友たちへ!」。若者に自己変革を求める内容だった。「今回の閣議決定で一番影響を受けるのは若者たち。だから彼らに向けて書きました。目覚めよ、生まれ変わり、抵抗を始めよう、と。ところが突然、別の言葉がひらめいたんです」。それが「平和の申し子」だ。

「終戦から69年。戦争を知らないどころか平和を満喫して生きてきた若い世代は、まさに平和の申し子です。草食系男子? 国を滅ぼすマッチョな男よりずっといい。心優しき彼らこそ平和を守ることができる。そんな彼らがいてくれることを僕は心強く思います。若者を『戦争を知らない』とか『無関心だ』とか批判するのは間違っている。僕たち戦争体験者は、若い世代とともに闘うための言葉を自ら探さなければいけません」

だから「平和の申し子」という言葉が胸に浮かんだ日、詩から若者への説教めいたメッセージを削り、全面的に書き直した。一つの言葉を得て、詩は生まれ変わったのだ。「戦争したくないと思う自分を後ろめたく感じる若者がいるそうです。違う。戦争なんて無理、と思う自分に胸張っていい。弱くあることは勇気あることなんです」

最後に聞いてみた。短い日数で書くことに不安はなかったのか。後で書き直したくなったりしないか。作家は破顔し、語気を強め言った。「その時は続編を書けばいい」

書き続けるんだ、闘い続けるんだ、と聞こえた。

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平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう

二〇一四年七月一日火曜日

集団的自衛権が閣議決定された

この日 日本の誇るべき

たった一つの宝物

平和憲法は粉砕された

つまり君たち若者もまた

圧殺されたのである

こんな憲法違反にたいして

最高裁はなんの文句も言わない

かくして君たちの日本は

その長い歴史の中の

どんな時代よりも禍々(まがまが)しい

暗黒時代へともどっていく

そしてまたあの

醜悪と愚劣 残酷と恐怖の

戦争が始まるだろう

ああ、若き友たちよ!

巨大な歯車がひとたびぐらっと

回りはじめたら最後

君もその中に巻き込まれる

いやがおうでも巻き込まれる

しかし君に戦う理由などあるのか

国のため? 大義のため?

そんなもののために

君は銃で人を狙えるのか

君は銃剣で人を刺せるのか

君は人々の上に爆弾を落とせるのか

若き友たちよ!

君は戦場に行ってはならない

なぜなら君は戦争にむいてないからだ

世界史上類例のない

六十九年間も平和がつづいた

理想の国に生まれたんだもの

平和しか知らないんだ

平和の申し子なんだ

平和こそが君の故郷であり

生活であり存在理由なんだ

平和ぼけ? なんとでも言わしておけ

戦争なんか真っ平ごめんだ

人殺しどころか喧嘩(けんか)もしたくない

たとえ国家といえども

俺の人生にかまわないでくれ

俺は臆病なんだ

俺は弱虫なんだ

卑怯者(ひきょうもの)? そうかもしれない

しかし俺は平和が好きなんだ

それのどこが悪い?

弱くあることも

勇気のいることなんだぜ

そう言って胸をはれば

なにか清々(すがすが)しい風が吹くじゃないか

怖(おそ)れるものはなにもない

愛する平和の申し子たちよ

この世に生まれ出た時

君は命の歓喜の産声をあげた

君の命よりも大切なものはない

生き抜かなければならない

死んではならない

が 殺してもいけない

だから今こそ!

もっともか弱きものとして

産声をあげる赤児のように

泣きながら抵抗を始めよう

泣きながら抵抗をしつづけるのだ

泣くことを一生やめてはならない

平和のために!

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