若者に見られる 「アライグマ症候群」

これも続いて藤田紘一郎教授の同本から引用してみる。

日本の若者は、せっせと体を洗う。「アライグマ症候群」にかかっている人が多いという。最近、顔や体を洗いすぎによって、皮膚病にかかる若い人が増えている、ということを皮膚科医たちは指摘している。

人間の皮膚には表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌をはじめとする約10種類以上の「皮膚常在菌」という細菌類がいて、私たちの皮膚を守っている。これらの皮膚常在菌は皮膚の脂肪を餌にして脂肪酸にしている。したがって、正常なヒトの皮膚は「弱酸性」なのだ。皮膚が酸性であると、外から病原菌が侵入してきてもそれを寄せ付けない仕組みになっているのだ。

1回のお風呂で石けんを使うと、皮膚の常在菌の90%ぐらいが洗い流されるという。しかし、12時間経過すると、残りの10%の菌が増殖して元に戻る。したがって、1日1回、お風呂に入って普通に洗う、ということであれば大丈夫ということになる。しかし、強力な洗浄力のあるボディシャンプーを使い、ナイロン製タオルでごしごし洗ったり、1日2回以上お風呂に入り石けんで洗ったりすると、皮膚常在菌がいなくなってしまうというわけだ。

では実際に洗いすぎはどんな皮膚病を招いているのだろうか。

洗いすぎは皮膚常在菌を取り除いて、皮膚を中性にしているばかりか、皮脂をはがし、アトピー性皮膚炎や乾燥性皮膚炎を発症させる引き金となる。最近、若い人でも冬になると、皮膚がカサカサになり、かゆくて仕方がないと訴える人たちが増えている。

洗いすぎで問題になるのは、薄い膜をはって私たちの皮膚を守っている皮脂膜とその下の角質層だ。正常な角質層だと、細胞が密に手を組んで何層にもわたって存在し、ホコリや、ダニなどアレルギーを引き起こす原因物質や、病原菌などの皮膚深部への侵入を防いでいる。

しかし、洗いすぎによって皮膚膜がはがれると、角質層にすき間が生じ、皮膚を組織している細胞がばらばらになっていく。その結果、皮膚に潤いを与えている水分の多くが蒸発して、いわゆる乾燥肌、ドライスキンとなるのだ。

新しい角質層が生まれてから死ぬまで、皮膚はおよそ1ヶ月のサイクルで新旧交代が繰り返している。ところが、肌をごしごし洗うことで、そのサイクルが狂わされてしまう。デリケートな肌を守るためには、洗いすぎないように自分を意識づけるしかないだろう。
(以下略)

簡単に言うと『洗いすぎるな』ということに尽きる。
何度も風呂に入ったり、必要以上にゴシゴシ洗ったりすると、
皮膚に潤いを与える成分の細菌が死滅してしまうことになるし、
角質層まで破壊し炎症を起こしてしまう。

僕自身も特に冬場は乾燥肌のかゆみに悩んでいる。
なるべく顔は水で軽く洗い、(目ヤニを取るだけ)
固形石けんで頭、腋、股間、足の裏を洗っている。
あとはお湯で洗い流すくらいだ。(湯あがりにタオルで拭くからきれいになっている)

それは若い人だけではなく、
50、60歳くらいの人の顔にも炎症を起こしている人を見かけるので、
これは日本の現代病ではないかな。
江原啓之さんもアトピーに8年間くらい悩んだそうだが、
かなり辛かったらしい。
肉体を脱ぎ捨てたくなるほどだそうだ。

お風呂好き日本人よ、
『洗いすぎるな』
細菌だって生きている。
悪い細菌ばかりではないんだよ。
お風呂なんて入らなくたって死なない。
清潔好きも極端になれば病気だ。
(現に病気を引き起こすの!!)
ほどほどに、ほどほどに。

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