勝とう・儲けようと思わないこと。

(文章が少し長いです)

陸上のウサイン・ボルト氏が
テレビか何かのインタビューで
「速く走る秘訣は何ですか?」という質問に
「速く走ろうとは思わないこと」
と答えたそうです。
(私は実際を観ていません)
スポーツでは勝つぞと気負ったら
かえっていい結果が出ないということでしょう。

ビジネスでも似ている。
お金を儲けようと考えて始めたビジネスは
全然儲からない。それどころか痛手を喰らう。
逆に何とはなしにやっていたことが
(金銭欲なく始めた趣味的なことが)
その後大きなビジネスとなって
お金が儲かってしまうことは
世の企業の歴史を調べたら判明していく。
そんな人たちであっても
欲を出したばかりに没落してしまうことがある。

「なぜ勝とう・儲けようと思ったらダメになるのか?」

まず勝とうと思うのは
勝ちたいという欲であって
それは同時に負けたくないという願望でもある。

「勝ちたい=負けたくない」

人は快楽を求め、苦痛を回避したい動物なので
負けることはどうしても避けたい。

この気持ちが強ければ強いほど
イメージも強くなる。

・勝者の栄光を浴びる自分
・負けたみじめな自分の姿

これは対立概念ではなく
潜在意識下で同時に成り立っている相対した概念です。
(勝ちがないなら負けもない)

簡単に言うとスポーツの試合中に
勝ちたいという気持ちが高ぶると
負けた自分のイメージを意識上に浮かび上がらせる。
なぜなら勝った自分と負けた自分は同居しているから。

つまり負けるようなプレーをしてしまうということです。
本人にその気がなくても
負けるイメージを認めているわけですから
そのイメージ通りの自分になるのです。

しかも困ったことに
負の感情やイメージは連鎖し拡張してしまう。

プレー中にミスをした。
そのミスが過去に起きた
あらゆるミスの記憶を呼び覚ます。
スポーツとは関係のないミスの記憶もよみがえる。
おねしょして怒られたとか。

人は過去からは逃れられない。
どんな記憶をも完全に消去できない。

※イヤな記憶ほど残りやすいのは
良い記憶が少ない証拠です。
肯定的な楽しいことを存分に経験したら
人はイヤな人間になりません。

「どうすればスポーツで勝てるようになるのか?」
「ヒトに備わるこうしたメカニズムを克服して
勝利をもたらす方法はあるのか?」

私にはこれしか思いつけません。

すべてを認め、許し、感謝すること。

イヤな記憶がある。
それを足で踏み砕こうとしても
破壊するどころか、
かえってふくれ上がってしまう。
だからその記憶をいったん認めてしまう。
そういうこともあったよね、と。
そしてそれを脇に置く。
その記憶にもいいところや
起きてしまったやむを得ない事情がある。
それを分析して許せるところを探してみる。
こんなことは誰にでもあるものさ、とか。
最後にその記憶がなかったら
今の自分はどうなっていたのかを想像してみる。
自分も他人にイヤなことをする人間になっていたのではないか。
感謝すべきところが少しでも見つかったら
勝ちたいという気持ちが鎮まってくる。

「スポーツで勝ちたいスポーツできて幸せ」

こう変化する。

次にビジネスではどうかを考えたい。
儲けたいという気持ちに2種類ある。

1、お金があったら○○が手に入る。
だからお金を儲けたい。お金がほしい。

2、お金がないと生きていけない。
生活費はどうすればいいの?
困った場合にお金がないと大変だ。
この世はお金で回っているから。

1について
あなたがお金を得たがるのは
欲しいものが買えるからです。
(この世の90%以上を買うことができます)
それを手に入れたとすると想像してみる。
別の懸念材料が出てくることが知らされる。

美女を買う:お金しか見ていない美女ならどうだ?
美食を買う:食べ過ぎるから成人病のリスク増大。
豪邸を買う:広い屋内に1~3人で住むのって寂しい。
健康を買う:不老不死・無病になる特効薬は無い。

あなたが本当に手に入れたいものは何だろうか?

2について
実はこの世は価値と価値との交換社会です。

・お金という価値
・モノという価値
・コトという価値

そのどれかの価値を提供したら
そのどれかの価値で提供を受ける。
お金という価値を認めているのが経済社会で、
お金という基準は分かりやすし、
受け渡しが楽にできて便利な価値です。

価値を提供できれば
この交換社会を生きていけると思いませんか?

あなたが提供できる価値は何でしょうか?

儲けようと考える時、
どうしても人の笑顔や感謝に注意が行かず、
財布のお金に目が行ってしまう。
お客さんってそれに気づくものなのです。
だからとっと逃げられてしまう。
仮に売買が成立できたとしても
感謝されなければリピートはない。
ネット時代ですから悪い評判が立つ。

お金に固執するとビジネスはうまくいかない。

その固執から解放させるためには
お金を使う(=捨てる)しかない。
それと同時に執着心も無くしていく。

そうしていくと経済社会に生きられるというのは
便利で快適で楽しいと思えてくる。
なぜならお金を払いさえすれば
自分が面倒なことをしてくれたり、
自分に喜びを与えてくれると知れるから。

次は自分が他人を喜ばす番です。

初めからお金が無い人はどうするかというと
労働力(肉体・頭脳)を使うことです。
それを「働く」と言います。
(傍をラクにする行為を働くと言う)

お金を得たければ働けばいい。
働いてお金を稼いで使う。
使った先に見えてくるものがある。
お金を使ったら相手先はこんなに喜ぶんだなと。

以上のことから導き出せる結論は

「試合の勝ち負けや金銭の有無という結果は
あなたや社会を幸せにしない」

それを人類すべてが理解した時、
世界平和の実現は目前に迫ることでしょう。

そういえば誰もが皆、裸で生まれてきたんだよね。
何も持たずに。

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