私のカリスマ経営者は未来工業の山田昭男社長です。

JALが再建できたのは
稲盛和夫氏の手腕だが、
実を言うと「リストラ」こそが
再建の主役です。(稲盛氏ではなく)
だからリストラを断行できる人だったら
どんな経営者でもJALを再建できたのです。

リストラをすれば
高コスト体質の大元である人件費を削減できる。
ひとり年収600~1000万円。
100人の首を斬れば6億~10億円のコストが浮く。
退職金の金額は分かりませんが、
必ず払わないといけないものなので、
リストラの際に膿として計上す。
その年の収支は大赤字。
でも翌年は浮いた人件費分だけ黒字にできる。
海外の投資家の間では
リストラを行なった会社の株は買いとしている。
それほどリストラ行為は経営にプラスなのです。

稲盛氏が窮地のJALに就任した時、
私はリストラを全くしないで、
賃金を大幅カットし
従業員の士気を高めて黒字回復させると思っていた。
アメーバ経営はどんな効果をもたらすのか楽しみにしていた。
でも違った。

私が書き残している
2010年2月10日のブログ記事の抜粋を読んでほしい。

首切りを容認した稲盛JAL会長に、
もはやカリスマ性なし。モウロクしたか?

稲盛和夫さんは京セラやKDDIの創業したカリスマ経営者として有名。
私も彼の著書を読んだことがあり、その人生哲学観に感銘を受けた。
バブル後も終身雇用でリストラを一度もしていないという社風も衝撃的だった。
その彼がJAL再建のために、約1/3の従業員を首切りした。
本人はそんなことはしたくないと記者会見で語っていた。

ではなぜ首切りをするの? あなたはCEOではないですか?

数年前、デフレでモノの値段が下がり続けて、
製造業者が悲鳴を上げていた時期があったのはご存じだろう。
(今もデフレ基調は変わらないが)
その時期に一人の社員が稲盛社長にデフレの脅威を訴える。
稲盛社長は返答する。

「デフレで10%モノが安くなったら、全従業員の給与を一律10%下げればいい!!」

なるほど物価が10%下がったら、収入が10%ダウンしても生活の質は下がらないね。
(ちなみに香港では物価の変動に合わせて賃金がそれに伴うらしい)

ある経済アナリストは言う。
「全労働者の収入10%カットと失業者10%とでは、経済に与える影響は全然違う」
(そりゃ失業者が増えれば消費は増えないわな)

若造ですが稲盛会長に言わせてほしい。
JAL再建の道は果てしなく険しい。
それを買って出たあなたは偉い。
しかも無給で。
成功してほしいと心から思うよ。
でも首切りをしてしまうあなたはもう昔のあなたではない。
歳を取ったんだよ。
リストラの気勢に負けてしまったということは。
首切りする会社内に『アメーバ経営』は浸透させることは絶対できない。
よって再建するなんて夢のまた夢。
即JAL会長から降りて、ゆったりと老後を送って下さい。
御苦労さまでした。

(僕なら全従業員の給与を33%カットして、首切りはしません)
——-

私はここで再建は無理と言っている。
間違えていた。
そこは謹んでお詫びします。

ですが私は稲盛さんには失望しています。
これは今も変わっていません。

「首を切られた客室乗務員やパイロット、整備員は今どうしてるの!?」

運よく他の航空会社に再就職できていればいいが、
飛行機に関わる仕事しか能がないので
他にできることが少ない。
中には私のように派遣かアルバイトに転落した人もいるでしょう。

「人の犠牲や不幸に立った繁栄・幸福など長続きしません」

昨夜、未来工業の山田昭男社長の本を読んだ。

その時JALのことが思い浮かび、
「あれほどリストラを拒否していた稲盛さんがなぜリストラしたのか?」
という疑問が生まれ、すぐ解答が出た。

当時リストラが最有力であり即効力があったから。
周りの会社はリストラで業績回復をしている。
あのパナソニックもリストラをした。
(終身雇用を世に初めて打ち出したのが松下幸之助さん)
普通の経営者であればリストラを迷わず選ぶだろう。

稲盛さんは普通の経営者。
カリスマではない。

今私のカリスマ経営者は山田昭男社長。
(私の名も山田ですが血縁などの関係は全くありません)
岐阜県の大垣市に本社があるらしい。
同じ岐阜県在住だしファンになりましたよ。
著作を読んでみて下さい。
ビックリする。

経営のことを聞くなら、断然山田昭男社長です。
普通になった稲盛さんからではない。

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