科学用語が哲学を隠滅させる。

「なぜ雷が発生するのか?」
あなたはその原因を説明することができるだろうか?

1、雲の正体である水蒸気が
天空高く上昇する時、氷になる。
その氷が互いにぶつかり合って静電気を作る。
静電気が帯電した雲を雷雲と言う。
その雷雲の内部において
マイナスの電気を持った氷は下部へ、
プラスの電気を持ったものは上部へ集まる。
その間は電気が流れない空気層なので
ぎりぎりまで雷雲の内部で電気がたまる。
地表に集まったプラスの電気が
雷雲内部マイナス電気と中和しようと
この時落雷が発生する。

2、ゼウスという神(雷様)が
時に人の行ないを戒めるようにと
怒りと威圧の表現として
雷鳴をとどろかせ、稲光る。

ここでもしあなたが2番を
科学的ではないと鼻で笑い、
1番を合理的だと思うならば、
あなたは科学者的思考の持ち主である。
科学という隠蔽工作にまんまとハマり、
世界を単なる物理空間として軽視する。

もしあなたが
「雷の発生の説明に1も2も同じじゃないか」
「そんなものどっちも違いがないじゃないか」
と斜め上から捨て台詞を吐いたのならば、
哲学者脳の持ち主である。

哲学者たちはいつも
「そもそもなぜそれは在るのか?」を思考する。

科学技術の発達が急速に世界を変えつつある現在
科学者は通りを颯爽とねり歩き、
哲学者は人を避けて洞窟にこもる。

哲学はやがて死ぬだろう。

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